昭和16年(2004年)5月19日のこの日、国語学者の金田一春彦博士が逝去した。マスコミなどにも顔を出し、国語学者の中では抜群の知名度を誇ったのではないだろうか?あの穏やかな口調も印象的である。岩波新書の『日本語』など数多くの著書を著している。、
金田一博士の詳しい略歴はwikipediaでも見てもらうとして、東京外国語大学助教授時代に博士号を東京大学でとったときの論文に注目したい。
『四座講式の研究』
四座講式とは栂尾明恵上人が作ったと言われる声明(仏教音楽)。釈尊の徳を慕う想いを表したもの。真言宗では涅槃会(常楽会) に一晩掛けてうたわれる。
この研究が基になって金田一博士はポリドールから真言宗の仏教音楽のレコード『真言声明』を監修し、レコード部門芸術大賞を受けた。
また密教学芸賞をも受賞している。
個人的なことだが、何も知らずに一昨日から弘法大師(空海)の『文鏡秘府論』を読み始めていた。漢詩の作り方の辞典である。弘法大師の著述のキーワードの一つが漢詩であり、漢詩を作って読み解きたいと思ったからだ。『文鏡秘府論』なかなか難しい著述で、特に四声店は手がかりがなかなかつかみにくい。なにか良い本はないかと思っていたら、金田一博士がその四声点(漢字の発音の仕方)の権威であることを知った。これはありがたい。博士の著述を手に入れて明恵上人や高祖弘法大師の思いに触れてみようと思う。
強く誓願すると道は拓ける
金田一博士の略歴を調べていて、改めて感じた。
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