着物の購入 本来は親子三代の繋がりを確かめる場
昨夜は和創工(きものそうこ)伊神社長と、講演会&演奏会でご一緒させていただきました。始まる前のお食事で色々お話を聞かせていただいた中で、ここ二十年でころっと変わった出来事があることを知りました。
元々着物というのは、祖母・母・本人と親子三代で買いに来られる方がほとんどだったそうです。今はそういうお客は皆無。親子でしか買いに来ず、祖母の姿が見えない。少子化で老人の数が増えているのに、着物屋におばあさんが来ない、そのために着物に関する知識がなく、買い物も、物が悪くても安い物を選ぶ傾向にあるとか。良い物を手に入れようとする意識が希薄になってきているとのこと。日本人の持つ「老人は知恵者」という良き伝統が確実になくなってしまったことを社長は実感されているそうです。
社長は、八年ほど前の孫の幼稚園入園式の時に、孫に着物を着せたところ、卒園児には六人の子が着物だったそうです。しかし、今では着物に一度も手を通したことがない人が多く、着物=浴衣と勘違いしている人が多すぎるのを嘆いておられました。
自動車にお金はかけても、着物や箪笥・家具・仏壇にはお金をかけない時代ですから、仕方がないと言ってしまえばそれませのことです。それでも、孫の着物の購入を通し親子三代が言葉を交わし合って、悩みに悩んで良い物を手に入れるその姿は、実に微笑ましいものがあったそうです。
日本の伝統文化、真剣に考えていかないと、どんどん消えていってしまう可能性があります。良き買い物とは、良い物を買うばかりでなくその買い物を通して親子の対話が生まれ主ぴでも心の交流もできるもの。改めて、伝統文化に連なる商品の買い物を学ばされました。
来年の宗春の二五〇回忌で、親子三代の着物ファッションショーでもしてみると良いかもしれませんね(^^)。
http://www.kimonosouko.jp/
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