ある北欧のお医者様の本を読んで感じたこと。
彼が夫婦でアフリカの貧村に赴き強く感じたのは、目の前の患者への対処ではなく、もっと広い範囲の
#公衆衛生 こそが重要であること。
「目の前の患者を治すことこそが医者の使命だ」と強く同僚に叱られたそうだが、公衆衛生に対する考えは変わらなかった。
目の前の患者の治療だけでは、患者の数が減っていかない。その無力感から、より広範囲に目を向けた結果、そもそも病にならない環境を指導していくことこそが、患者の数を減らすことではないかと気づいた。
そこから彼は公衆衛生に尽力し、見事に結果を出し、世界的にも有数な公衆衛生の権威となっていった。
病も、目の前の病に薬だけで対応するのではなく、普段の食事や呼吸も大切であるのは当然のこと。しかし、人はなかなかそれを事実として受けいれ実行しきれていない。もちろん今苦しんでいることに対応することはないがしろにされてはいけないのも事実だが、より大きな視点も重要。
犯罪も同じで、目の前の犯罪の取り締まりだけではなく、犯罪が起きにくい仕組みを作ること、そこがポイント。小さな例を出すと、スピード違反を取り締まるのではなく、スピード違反をしにくい仕組みこそが重要。そもそも制限速度があるのに、それを遥かに超えるスピードの出る車があり、それを売りにしていることが問題。
政治にも、経済にも、宗教にもいえる。目の前のことは大切で、それに対処することも重要。しかし、個別にではなく、目に見えないもっと広い範囲のことも意識においておかねばならないことが多いのも事実。
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