松長有慶『高野山』岩波新書を読んで 感想ザックリと
師匠である松長有慶先生の『高野山』(岩波新書)を
読んでのざっとした感想です。
高野山の通史は知っているようで知らないことが多く
良い学びになりました。
改めて感じたのは、真言僧侶とって
高野山の寺院は樹木の幹のような存在。
私たち地方寺院は枝葉。
幹には実は付きませんが
幹が太くなければ枝葉も広がりません。
枝葉は光合成のエネルギーを幹に送り
幹は大地からのエネルギーを枝葉に送る。
お互いがお互いの役目を果たして
一本の木が生き生きとするもの。
高野山のご住職や跡継ぎの方々の
大変さを思い知るとともに
祖山という大地から
私たち枝葉に送って頂いていること
改めて感じました。
実を付けないからと
非難する地方寺院もあるようですが
祖山には祖山の役目
地方寺院には地方寺院の役目があり
その両者が揃ってこそ曼荼羅が成立するもの。
どちらがどうのではなく
共にお互いを思いやって進んで行かなくてはと
改めて感じさせられました。
曼荼羅宗としての心構えを
再認識させていただきました。
また、これ一冊で、案内人ができます。
逆に言うと一般の方々で
この本を読まれている方々がおられることを
私達真言僧は知っておかねばならないとも言えるでしょう。
今以上にしっかりと学ばねばなりません。
真言宗の歴史とも重なりますので
高野山真言宗以外の真言宗の方々にも
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
余談ですが来年の1200年の団体参拝時に
参加者全員に配ろうと思います。
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