一見すると雑草のように生えていますが
実は青紫蘇(大葉)です。
うちの境内は全く除草剤を撒いていませんので
いろいろな自然生えの草木がありますが
この青紫蘇もその一つです。
カミさんが草取りの時に残している一種です。
紫蘇の由来の逸話があります。
二世紀末から三世紀頭の中国の後漢の末期に、
(三国時代初期・後漢末は魏の曹操の傀儡政権)
ひとりの伝説的な医師がいました。
本名(諱)は分かっていません。
ただあまりにも優れた医師であったので
先生という言葉を意味する「華佗」と呼ばれていました。
後漢の旧都である洛陽で
ある若者が蟹を食べすぎて食中毒を起こし
紫色に顔色が変色し瀕死の状態となっていました。
そこで華佗に治療が求められると
華佗は薬草を煎じ、薬を作ったといいます。
その薬を用いたところ、若者はすっかり元気となり
紫から蘇る薬ということで、
薬草を「紫蘇」というようになったという伝説です。
一説には紫色の薬であったとも言われています。
華佗は伝説的な人で、三国志演義にも登場し、
曹操の愚かな面を強調する役割を担う悲劇の医師。
この話は事実かどうかは疑わしいのですが
紫蘇は華佗に譬えられるくらい
健康にはとてもよいものであるということだと思います。
青紫蘇の含有成分には
αーリノレン酸、 ロズマリン酸、 クロロフィル、
βーカロテン、 ペリルアルデヒド、
ビタミンB1、ビタミンB2
等があるそうです。
抗酸化作用が強いとのことです。
この紫蘇を見つめながら
心身ともに蘇るお寺というのも良いなぁと感じました。
いやお寺とは元来そういう場所なのだと思います。
七月二十三日に嘉祥頂戴の儀式を行います。
牛頭天王を本尊とする祭りです。
蘇民将来の蘇とも繋がります。
すぐ隣後は蘇原の地。
この祭りの名を蘇りの祭りという意味も
含めてみようと感じました。
感謝すべきことに素麺などを食す時、
かみさんがこの青紫蘇を時折入れてくれています。
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