恵比寿:日本のアイデンティティに満ちた神
昨夜の御近所さんが集まる『般若心経秘鍵』講座(10人強)で
恵比寿さんのお話しをしました。
恵比寿さんは日本の神様。別名は夷、戎、蛭子、恵比須など
七福神の一で、伊邪那岐・伊邪那美の両神の最初の子である蛭子(ヒルコ)と同体とされます。海の向こうからやってきた神。大漁・商売繁盛・豊穣の神。この神はいろいろな意味を持った神様です。(海から来たので異郷の神とする説もありますが、ここではその節は脇に置きます)
恵比寿様は、大漁のシンボル。しかし、手に持っているのは網ではなく釣竿。網は、暴利を貪るシンボルであり、釣竿は適量を得ることの象徴とも言えます。自然は、その再生能力の範囲ならば、小さな自然破壊をしても利益を得ることを許してくれます。しかし、自然治癒の範囲を超えると、循環システムに狂いが生じ、おおいなる災いをもたらしてくるものです。人間の心の一番奥底の微妙な心に従えば、決して暴利を貪ることはないと思います。表面の荒い波に溺れたり流されることなく、自らの心の奥底に従い、暴利を貪ることないように利益を得ていきたいもの。
また恵比寿様は再チャレンジの神様。失敗作として一度は親神に海に捨てられましたが、沿岸に漂着し、財物をもたらす神として、大いに祀られるようになりました。これは一度失敗をしたからといって諦めてはならないというメッセージを含んだものとも考えられます。どんなことであっても諦めることなく再チャレンジ。その再チャレンジは、前のままではなく、工夫を凝らして、少しでも新たな形にしていくことが求められるのもの。諦めかけていたことに、既に諦めたことに、諦めずに、工夫を凝らして再チャレンジしていきたいものです。
日本の神様の恵比須さんはお寺でも祀られ、神仏の垣根を超えた存在です。この精神こそ日本人のアイデンティティの大切な部分ではないかと思います。
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