« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

2012年7月22日 (日)

文面より口伝

仏教の経典の最初は五成就と呼ばれる文句から始まります。
五成就とは、信・時・主・処・衆の五つ。

最初の信とは、「如是我聞」のこと。
誰かの書いた文章を読んだのではなく
教主である仏から直接聞いたということ。
だから信がここにあります。

文章よりも、直接聞いたことを大切にする態度は
現代社会では少し違和感があります。
口約束よりも文章で残した書面のほうが優先される社会だからです。

しかしよく見つめてみると日本を始めアジアは
文面よりも口伝を大切にする文化がありました。

近世以降の日本でも同じです。
剣道も柔道も茶道も華道も香道も
書面に書いてあることをどんなに忠実に守っても
それをマスターすることは非常に困難です。
やはり肝腎な所は師について学ばなくてはなりません。

仏教も仏道と元もは呼ばれていました。
他の道と同じように文面よりも口伝を大切にします。
これは特に真言密教や禅宗では当たり前のこと。

経典や祖典も独学ではなく
師について学ぶからこそ
それは「如是我聞」につながります。
これはこのようにどんなに文に書いても伝わらない。

経典は文として読むのではなく
師に教えられ
自らが三昧(定)に入って
その文を通してその経典の内容が
ありありと感じる、つまり
情景や衆(対告者を代表とする聴衆)を観じ
仏の言葉や対告者の言葉を聴き、
その場面の香りを感じ、
その場面の空気の肌触りを実感する
そのときに本当に経典は「如是我聞」になる
そのように最近強く感じるようになりました。

月に一度ですが、
五十を前にする年齢になりながら
師匠のもとで学ぶ事ができるありがたさを実感しています。
こうした貴重な時間を得ているからこそ
私もまた私なりに噛み砕いたものを周りに伝えなければならない
そのように感じています。
月に三つの勉強会を開くようになったのはそのためです。
全部でおよそ三十名の方々が聴講してくださっていますが
そのおかげで私自身がより一層学ばさせていただいています。
こうしたチャンスを与えて下さった師にも、
また聞いてくださる方にも
深く感謝しています。

直接、この全身を使って表現をして皆に伝え
もっともっと工夫をし
縁のある方々に「如是我聞」を実感していただきたいと願っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月17日 (火)

脱原発 デモ 雑感 2

反原発のデモ。とても純粋な気持ちで参加されている方々が多い。
政治的な駆け引きでのデモとは、今回様相が違っています。

それでも、それでもです。
このデモを政治的に利用しようとしている人がいるように感じます。

このデモの目的は脱原発のはず。
政府の言い分は、
電気の使用量が供給量を超えて起きる大規模停電の発生の確率が
地震の確率よりも断然高く
そして直近の危険性を伴うということでです。
だから原発を動かしたい。

これに一部の産業界は乗っかり、
政治的に、自分たちの言い分である原発推進を進めているようです。
さらにその一部の産業界の手先として
このデモを全く取り上げないマスメディアも出てくる始末。
(一方では数字を主催者側のまま無批判に取り扱うマスメデアもあります。)

一方では、脱原発と叫びながら、
デモを主催したり影で操っている人たちは
ただただ自分たちの怒りの矛先を政府に向けてるだけで
実際に真剣に脱原発に取り組もうとしているようには見えません。

デモは、官邸前で行うのも良いですが
本当は大阪府や大阪市はじめ
各都道府県庁などの地方自治体前や
大企業の前で
節電の工夫をお願いする事のほうが大切に感じます。
使用料が減れば、原発は不要になります。

その上で、官邸に陳情を正式に提出し
それでも動かない場合は大いにデモをすべきのように感じます。

自分たちの生活を変えることなく
ただただ要求のみを押し付けようとするあり方は
自分で自分の首を絞めるようなもの。
今のままでは原発を無くさないように私達が手助けしているようなものです。

どうも、今のデモを、脱原発ではなく
全く別次元で利用されているように感じます。
心から純粋に脱原発を願う方々の誠意を踏みにじって欲しくはありません。
その純粋な思いが、しっかりと実現していくためには
その矛先を先導する必要があると思います。

まずは関電地域に節電をお願いして大飯原発を止め
日本全体が節電に取り組み
そしてそれと並行して代替エネルギー開発に尽力し
二十年後にはあらゆる原発を廃炉に持っていく
そんなビジョンを名のある学者さんたちに提示してもらい
デモへの情熱を
節電と代替エネルギーへと向けていくことが
最大の脱原発の動きのように思えます。

私たち自身が目覚め気づく
まさに仏教のBUDHでありたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月16日 (月)

反原発 デモ 雑感

原発反対のデモに参加されている方々は純粋な方々が多い。
私自身も脱原発派ですので、このデモの多くには反対していません。
しかし、そのデモを煽っている人の姿も青写真が見えません。
特に関西地区は、省電力をほとんど行なっていないのが現状。
オイルショックの時のように徹底して
皆が省エネを推進しているのならばともかく
今は省エネを殆どおこなっていないのが現状。
ブラックアウトの危険は為政者にとっては最も恐れるところ。
大飯原発の再稼働がない場合の青写真を
デモを主催している人たちが提示し国民の賛同を得なければ
純粋にデモを行なっている人たちを利用した
単なる政権転覆になってしまう気がします。

今回のデモは、純粋にいのちを思う人達が多い。
だからこそこうした方々を利用して
政権転覆を狙っている人たちの恣意が悲しすぎます。

政府は正式な陳情はしっかり受け止めているようですが
今回のデモに関しては正式な陳情が行われ
それを政府と対話して良き方向に導いているのでしょうか?
デモの大方は正式な陳情をせずに行われているとのこと。
単なる政権転覆を狙い
自民党政権が復活してしまうと
原発の稼働はもっと増えてしまうことになりかねません。
私はそれを恐れています。

枝野経産相は経産省を代表した発言と
個人の思いとは全く別のところにあるように思います。
政府内部関係者から漏れ聞こえるところによると
彼が経産大臣だから、細野環境相だからこそ
原発稼働は大飯原発だけにとどまっているとのこと。
そして原発稼働を煽るかのような悪役を
仙石氏が引き受けているそうです。

私たちは知らねばならないのは
各政党のトップがもし総理になった場合
他の原発をどうするのか
大飯原発を止めた場合、
関西地区の電力の賄いはどうするのか
こうしたことをしっかりと知らねばならないように思います。

できれば今のデモの主催者の方々が
こうしたことをしっかりと公表していただけると
より良き方向に成る気がするのですが・・・

ちなみに、毎週金曜日のデモの報道を
読売・産経・日経が行なっていないことを
原発関連の政府関係者に伝えました。
そのかたはそのことを知りませんでした。
少しは改善されると良いのですが・・・。

それと関西地区が率先して徹底して省エネを行えば
原発は止まるそうです。
単純に止めろではなく、
10時から3時ころまでの
劇的な省エネの推進、
まずここに私達が絡まねばなりませんね。
それがデモよりも脱原発の近道のように思います。

うちのお寺も、この時間帯の電気使用量を
まずは減らしていくつもりです。

本当は僧侶としては政治に首を突っ込みたくはないのですが
今回に関しては例外的に、
多くの方々とは別方向から
政府内に声が届くように工夫しています(^^)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月14日 (土)

年に二本の草木を

原発を推進したある元総理が、
かつて「日本国民が一年に一人二本植樹すれば」と
提案をしたたと聞きました。
教えて下さった方は実際に実行されており
あるときに、その元総理にその話をしたら
「覚えていてくれましたか?」
と嬉しそうに答えられたそうです。

原発のように無理矢理に一つでなんでも賄おうとするのではなく
多種類の自然力を活かすような提案はいいですね。

植樹でなくてもプランターでも良いと思います。
草木を一年に二種類植えれば、単純に二年で五億の草木が
二本に植えられたことになります。
もちろんこれで温暖化が阻止できるわけではありません。
しかし、草木を植えることで
周りは確実に緑が増えていくはず。
その中で、何かを学ぶことができるのではないでしょうか。

こんな運動を、杉とか檜のような利便な樹木の植樹ではなくて
もっと多様性のある草木を植える運動も
あって良いなぁと感じました。

ちなみに、私も数えてみましたら
年に二本以上は境内に植えていることに気づきました(^^)

写真は境内に独り生えした松の木です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月10日 (火)

党議拘束に関する雑感

民主党の、今回の分裂騒ぎ。どうして?という疑問がいくつもあります。妻がかつて民主党の重鎮であった代議士の公設秘書として国会事務所に居たので余計かもしれませんが・・・。僧侶は基本的に政治に首を突っ込まないのが原則ですが、皆があまり気づいていないことを伝えることも大切だと思いましたので、あえて一つだけ記すことにしました。

今回の分裂騒ぎの党議拘束に対して思ったこと。
小選挙区で当選した代議士は、当選証書を県庁で受け取ります。これは県の各地域の代表として当選したことの証でもあると思います。こうした代議士を党議で拘束するのは、有権者の意思を無視するものではないでしょうか。党議拘束とは、その時の権力者の言うことを聞くという愚かな蛮行になりかねません。国会議員とくに小選挙区選出者の一人ひとりの議員の権利はしっかりと確保することが有権者の民意を反省させることだと感じます。小選挙区で選ばれた代議士は党議拘束できない、これはぜひ明確にして欲しいところです。
一方、比例代表で当選した代議士は党議拘束がかかって当然です。党で選ばれたのですから党議拘束を無視した場合は党籍どころか議員の席を失ってもしかるべしと思います。それを自分の思いと異なるからと言って、離党するのは大問題。これも有権者の意志を無視した愚行だと思います。

選挙方法は常に欠陥を有するものです。だからこそ、その欠陥を補うルールもまた必要。少数意見の尊重・権力者の暴走を防ぐ・民意の反映、こうしたことは常に意識して欲しいものです。

これは国会だけでなく、あらゆる集まりで言えることです。人の意見を無視して権力者の意見で拘束をする、こうしたことは避けていたいものです。

一介の田舎坊主のつぶやきでした・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年7月 6日 (金)

明日は七月七日だけど・・・

明日は七月七日。新暦の七夕ですが、
梅雨の真っ最中であり、
織姫さんも彦星さんも出会うのにはちょっと・・・

しかも月は半月といえど逆さ向いているので、
月の船も難しい・・・(^^;

やはり七夕は旧暦に行わねば意味が無いですね。

半月の船に乗って二人が出会う、
ロマンチックなお話も、
季節感を無視すると味気ないものになりがちです。

季節感を有する行事だからこそ
本来の季節に合わせて行いたいもの。

ちなみに今年の七夕は
新暦の八月二十四日の地蔵盆の日です。
関西方面では、
七日は七日盆と言って初盆を迎える方々の行事だそうです。
本来は旧暦の七夕がその初盆の日だったのではないかと推測されます。

棚に幡を立てて盆を迎える・・・日本の古き慣習ですね。

ちなみに、明日は暦の上では小暑で、
暑さな本格的に到来してくる頃です。
暑気の中に涼しさを感じていたいものです(^^)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »