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2012年3月11日 (日)

質素倹約ばかりでは民は生きられぬ。この世は祭り!(by紀文) 「千年先を見つめて(尾張七代藩主徳川宗春物語)」より

質素倹約ばかりでは民は生きられぬ。この世は祭り!(by紀文) 「千年先を見つめて(尾張七代藩主徳川宗春物語)」より

今回は、紀伊国屋文左衛門が深川富岡八幡宮に金の神輿を三基奉納したという事実に基づき、
そのお祭りに通春(宗春)が訪れ、対話するという設定です。
晩年の紀伊国屋が自分の思いを通春に託し
通春は、その思いを自分の中で生かしていく前触れの内容です。

その年、享保三年八月十五日、深川富岡八幡宮境内に紀伊国屋文左衛門殿が金張りの神輿を三基奉納する。神輿祭と呼ばれるほど数多くの神輿があつまる富岡八幡宮例祭。

文左衛門:  「紀文最後の奉公じゃ。皆も祝ってくだされ」

と、小判をばらまく。そこへ着流しの派手な姿で、通春が現れる。

文左衛門:  「おお、尾張の麒麟児様のお越しじゃ。より賑やかになって良いのぉ。」

松平通春:  「紀文殿、久しゅうござる。」

文左衛門:  「疱瘡にお罹りになったと聞いておりましたが、お顔には出なんだ様子ですなぁ。」

松平通春:  「運が良かったのですよ。」

文左衛門:  「麒麟児様は病まで上様とは正反対じゃ。ハハハハハ。」

と笑い飛ばすと、通春から離れ、大きな声で叫ぶ。

文左衛門:  「質素倹約ばかりでは民は生きられぬ。それを幕府のお偉方に見せつけるために、こうして最後のご奉公。わしもまもなくあの世へ旅立つによって、金子など持っていても仕方がないからのお。この世のお金はこの世で使えというものじゃ。」

すると周りから「そうだ、そうだ。」と歓声が上がる。文左衛門が再び通春に近づき

文左衛門:  「わしの考えは全て求馬殿、いや主計頭様、三浦屋(吉原の楼閣)で、あなた様にお伝えしてあるゆえ、もうわしは思い残すことはない。わしは主計頭様の中で生きますからな。これだけは奈良屋茂左衛門もできなかったことじゃて。はははは。わしは良い跡継ぎを見いだせた。尾張の麒麟児、主計頭様。」

と囁くと、皆の方を向いて

文左衛門:  「もっと賑やかに神様を盛り上げよ」

と叫ぶ。「ワッショイワッショイ」。通春も着流しの上からはっぴを羽織り、民の中に入って共に御輿を担いだ。「ワッショイ ワッショイ」。通春は紀文の言葉の重みを実感しながら祭りに参加し続けた。

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