葬儀・・・遺族の言葉に参列者の涙
午前中は月例護摩供養。今日の火は速い速度で勢いよく燃えた。乾燥していたこともあるが、それを今すべきことは速やかにというメッセージと受け止めた。感謝。
午後から葬儀。まず入堂。そして告別式の式次第の説明。最初に三礼の声明(しょうみょう)。普礼・三部・被甲護身・洒水。脇僧の弟子には読経をしてもらった。そして私は二巻抄と呼ばれる葬儀の次第を実施し声に出して唱えた。そして二回目の洒水で読経を止めてもらい、灌頂の儀式。そこで、「大日如来・金剛サッタ・龍猛・龍智・金剛智・不空・恵果・高祖弘法大師空海・乃至・補陀洛院有慶(現金剛峯寺座主)。高家寺宥智・故人の戒名」とお唱えし、秘密血脈を渡す。すなわち、お通夜は仏門に入ること。告別式は密教門に入ることを儀式の目的とした。その後に野辺送りの作法。諷誦文(ふじゅもん)。この諷誦文の中で、故人の略歴を述べ、戒名の意味を開き、真言を授けた。そのときにまず家族よりすすり泣く声がした。続いて、導師焼香。家族の別れの言葉。まず夫・息子・娘と続いた。その中で夫が「待っていてください。今しばらくこちらで生きて、終わったら必ず傍に行くから。」この言葉は、私の妻の胸に深く刻まれたようだった。この家族の別れの言葉が、参列者の涙を誘い、葬儀全体を大いに引き締めたように思う。そして、弔電、焼香。導師法話・退堂。
葬儀は僧侶が作るものでもなく、葬儀社が作るものでもない。遺族と共に、僧侶も葬儀社も皆で作り上げていくものだと思う。私はこの姿勢を貫きたいと思っている。そうすることで遺族も故人に対してのけじめがつけられるし、故人もこの世を去ることができると思う。その上で、遺族の故人に対する最後の言葉は、なくてはならないもののように思うがいかがだろうか。
火葬場に行き、荼毘に送り、遺骨を拾うときも付き添い、骨上げの儀式をし、今日は終了。
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