『空海 般若心経の秘密を読み解く』
月に一回、師匠のお宅で「祖典講読会」が開かれている。テキストは『十巻章』のうち『般若心経秘鍵』。刺激的な輪読会だ。この著述に関して師匠が本を出された。『空海 般若心経の秘密を読み解く』。高野山大学大学院の通信講座のテキストでもあり、その後に手を加えられたものだ。昨日、師匠よりこの本をいただいた。まだ読みきっては居ないが、学術的にも大学院の授業に耐えうるだけ高レベルであり、しかも一般の方々にも読んでいただけるほどの平易さで書かれた好著である。最初は少し難しいかもしれないが、逆に言えばそうした部分は後日の楽しみにしていただいて、自分の琴線に触れる部分を読んでいただければと思う。この本は頭で考えるばかりなく、心でも感じる本だといっても良いかもしれない。日本で最もよく読まれ、もっとも有名なお経の『般若心経』を、あの弘法大師空海がどのように読み込まれていたのか、十分に楽しんで欲しい。ちなみに著者は、僧侶としても学問の上でも我が師匠であり、この十一月十五日に高野山真言宗管長・金剛峯寺座主に就任される。
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