『わかるユダヤ学』 お勧めの一冊
世界のニュースを見つめると中東問題が毎日のようにトップに近い記事で出ている。しかし日本ではそれほど大きく取り扱われることはない。ある意味、日本の方が特殊事情なのかもしれない。それはユダヤやイスラムを知らなさ過ぎるともいえるだろう。
ユダヤを専門とされる同志社大学の手島先生と知り合うことができ、彼の著作を読み始めた。まずは手軽なものからと思い、『わかるユダヤ学』を読み始めた。面白い!一般的な日本人よりはユダヤを知っているつもりでいたが、それがつもりであったことが痛いほど感じた。やはり私は知らなさ過ぎた。さまざまな切り口からユダヤを語った本。
ヨルダンのフセイン国王であったアミール・ファイサル・フサイニー(1933年アラブ過激派により暗殺)、ファウジ・エル・フセイニ(1946年暗殺)、マルティン・ブーバーらの推進していたイフード運動をどれだけの人が知っているだろうか?ファウジと比べるとアラファトは子供だといわれるくらいの人物だそうだ。
ユダヤ人にはスファラディーとアシュケナージという二つの流れがあり、それが何を意味しているのか正確に知っている人がどれだけいるだろうか?
ユダヤ人といった場合、ユダヤ民族とユダヤ教を信じる人という二つの意味を持っていることを一般的に知っている人はどれほどいるだろうか?
旧約聖書という言葉はあくまでもキリスト教をベースにした考えでありユダヤ教ではありえない言葉であることをどれだけの日本人が知っているだろうか?
まだまだ数え切れないほどの知識が詰まっているにもかかわらず、とても読みやすくなっている。世界を知るためにはユダヤは避けて通れない。それを手早く正確に知るには、この本はお勧めだ。
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