夫婦誠誡 四年前に結婚式を挙げた夫婦に授けた戒め
うちのお寺で、新婚夫婦と私たち夫婦の四人のみの式。
その時、高家寺オリジナルの圓満の五箇条、積徳の六箇条でできた夫婦誠誡をお授けしました。
昨日、その式次第を読み直し、その内容に私自身も感じさせられました。
それを以下に記します。一部改変。
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先 夫婦入堂
次 導師入堂
次 洒水加持
次 数珠の交換 左手首に互いに掛ける
次 鑑誠
昼を照らし時を刻む太陽と、夜空を照らし日付を示す月には、各々の役目があります。空は無限に広がり多くの星々からの光を与え、海は清濁を併せ呑み全てを浄化し、各々の役目を果たしています。人に男があり女があり、夫があり妻があります。男女は天地自然の大きな道に則り、与えられた使命がおのおの別であるという道理にこそ、夫婦の道が自ずから生じてきます。
最初は、外からの雑音などで道を外れることもあるかもしれませんが、気づいたときに直ちに協力し合えば、逆により強き絆が生まれていくもの。夫婦はお互いにお互いの使命の違いを理解し合い、お互いを敬い、お互い慈愛をもって、手を取り合い、各々の足りない部分を補い合って、一家を斉えていくことが肝要です。
直也くん。あなたは時折決断に苦しむことがありますが、それはあなたの優しさの顕れです。弱き人と共に歩もうとするその視点は上から目線ではなく、まさに平等そのもの。政治家にとって最も大切な資質です。あなたの優しさこそあなたの宝物です。
ひとみさん。直也くんへの愛情故に、時折悩み苦しむこともありますが、それこそがあなたの深みであり強さです。折れそうになった夫の心を常に支える縁の下の力持ち。目に見えぬところでのあなたの努力にはほんとうに頭が下がります。
お互いがまさにオンリーワン。夫婦生活という人生の旅の途上で、外においては天災人災、内においては煩悩の荒波にのみこまれ、狂乱を示すこともあるでしょう。しかし、手を取り合って人生を全うしてください。
ここに、あなた方に夫婦円満の五つの戒めを説きます。夫婦生活が円滑に進むようにするための良き習慣作りです。
一に お互いに慈しみの心を持ち続けるように。
二に お互いの苦しみと悲しみを分かち合うように。
苦しみや悲しみは二人で分けると半分になるもの。一人で悩まず、よくよく話し合うことです。話し合わなくとも、誠をもって傍にいるだけで、その苦しみは苦しみでなくなります。あなた方の生きる指針となるでしょう。そして家族や友人達の苦しみや悲しみを抜くことにも意識を傾けるようにしてください。
三に お互いに喜びと楽しみを分かち合うように。
喜びや楽しみは二人で分けると倍増するもの。喜びや楽しみは明るい心を育てます。喜びや楽しみは生きる力となり、ツキをも呼び込んでいくでしょう。
四に お互いに執着を捨て、尊重しあうように。
夫婦といえども親子といえどもそれぞれの役目があります。その役目を理解してください。やきもちをやきすぎたり、互いに縛りあったりしないことが肝要です。執着を離れ、相手を互いにそのまま受け入れたとき、お互いを活かしあう本物の結びつきが生まれます。
五に お互いに誠をもって良い所を常に褒めあうように。
厭なことがあったとしても、それは良きことと表裏一体。人は怒られると萎縮しやすいもの。時には叱ることも必要ですが、出来る限りお互いの良き点を伸ばすためにも誠をもって褒めあうようにしてください。
次に、あなた方の家庭が徳を積んでいくための六つの戒めを説きます。
一に 得ることよりも与える家庭であるように
豊かな者は得ることよりも与えることに喜びを見出します。真に豊かな生活を望むのならば、与える喜びを知って下さい。
二に 良き習慣をよく保つ家庭であるように
良き習慣は悪しき習慣の根を絶ち、新たな良き習慣の種を育んでいきます。良い習慣こそ人生の宝であることを知って下さい。
忍耐は尊いものです。やせ我慢ではなく、他者に対して寛容であることは、それ自体がとても美しいものです。美しい人生であって下さい。
四に それぞれの道をしっかりと歩み続けていく家庭であるように
人にはそれぞれの道があります。比較して異なるからといって、むやみに否定排斥するのではなく、自分の道も他者の道も尊重して、自分の道を迷わず工夫して歩んでいくようにしてください。
五に 本当に心から望むことに専心する家庭であるように
人生は貴重な時間です。無駄な時間に時を費やすのではなく、本当に心から望むことに時間を割いて、人生を深めてください。
六に 戒を実生活で活用する家庭でように
どんなに素晴らしい教えも実践してこそものになります。人生の真の宝物をいつでも得るには教えの実践に他なりません。ありのままに世間と自分たちを見つめ、これらの戒めを実践をしてください。
改めて、夫婦の誠の戒めを説かせていただきます。
圓満之五箇条
一、 お互いに慈しみの心を持ち続けるように。
二、 お互いに悲しみと苦しみを分かち合うように。
三、 お互いに喜びと楽しみを分かち合うように。
四、 お互いに執着を捨て尊重し合うように。
五、 お互いに誠をもって良い所を常に褒めあうように。
積徳之六箇条
一、得ることよりも与える家庭であるように
二、良き習慣をよく保つ家庭であるように
三、包容力豊かに他者に寛容である家庭であるように
四、それぞれの道をしっかりと歩み続けていく家庭であるように
五、本当に心から望むことに専心する家庭であるように
六、戒を実生活で活用する家庭であるように
以上、圓満の五箇条、積徳の六箇条の、夫婦の誠の誡を授けます。目先の小さなことにとらわれることなく、人生の大きなものを得るように心がけてください。お互いに対する誠意と大いなる命に対する信心と優しさと智慧をもって、病めるときも老いた後も、いついかなる時も、気づきを共有し、ありのままに、仲良く共に力強く進んでください。
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