2016/05/18

#‎中学生と和尚‬  vol.001 なぜ仏陀を「ほとけ」さまと呼ぶの?

#‎中学生と和尚‬  vol.001

「ほとけ」とは?

<登場人物>
和尚(おしょう・とある密教寺院の住職)
まや(中学生)

<場面>
学習塾を兼ねる寺子屋が始まる前の会話

13238970_1794663050770421_479675235

まや:こんにちは
和尚:おお、まやちゃん。こんにちは。今日も早いねぇ。
まや:訊きたいことがあったので。
和尚:ほぉ、部活はちゃんと出たのかい?
まや:出ましたよ。急いできたんだかから。
和尚:ところで、訊きたいことって何だい?
まや:仏さまはなぜ「ほとけ」さまっていうのですか?
和尚:おお、いきなりストレートな質問だ?
まや:小学生みたいかなぁ?
和尚:いやいや、大切な質問だよ。
   たぶん、ほとんどのお坊さんも
   知らないことだよ、その質問は。
まや:えー、そうなの?
和尚:仏さまはね、インドの言葉では
   ブッダ(仏陀)というんだ。
   まやちゃん、「あっ、そうかぁ」って思うことはない?
まや;あるある
和尚:その瞬間にまやちゃんは、
   小さな仏陀になったんだよ
まや:えっ?
和尚:仏陀とは
   「きづいたひと」「めざめたひと」
   っていう意味があるんだ。
まや:私も仏陀?
和尚:そうだよ
まや:でもなんで仏陀じゃなくて、
   「ほとけ」さまっていうの?
和尚:なんでだと思う?
まや:うーん・・・「ほと」って
   少しだけ「ブッダ」に音が似ているぅ
和尚:おお、ビックリ。本当にそうなんだよ。
   インドの言葉の仏陀を
   (黒板に「浮屠」と記す)
   中国語にした時に浮屠(ふと)ってしたんだけど、
   それが日本に入ってきて、
   発音が「ほと」になったんだそうだよ。
まや:ええ?。当たってたのですか?
和尚:和尚さんもビックリ、大当たり。
まや:浮くに屠殺の屠ってなんだか
   仏さまっぽくない。
和尚:ほんとだね。屠殺の屠は殺すっていう意味だから
   ビックリだよね。
まや:他の文字はなかったのかなぁ。
   だから「仏陀」って漢字にしたのかもね?
和尚:「仏(佛)」という文字も
   わざわざブッダのために作られた漢字らしいよ。
   でね、話は戻して、
   その「ほと」にケを付けたんだって。
まや:「け」ってなんなのですか?
和尚:「け」はあまりよくわかっていないんだよね。
まや:ふーん
和尚:昔々の古い言葉では、「け」を、
   人をあらわすことばとして
   言葉の最後に付けたみたいだから、
   そうじゃないかなぁって言われているけど
   よくわからないんだよ。
まや:ほとけさまでも分からない・・・
   アハハハハ・・・じゃなくてケケケケケ
和尚:(苦笑い)

| | コメント (0) | トラックバック (0)