« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »

2006/07/17

よく噛み咀嚼する

生まれたばかりの赤ん坊はまず母親の乳を飲む。まさに流動食の原型。そこから離乳食となり、一般の食事となっていく。だから子供は最初は柔らかい食べ物を好み、そこから徐々に硬い食べ物へと移動していく。ところが最近は大人までもが柔らかい食べ物、特に流動食のようなものを欲しがるようになったという。そうなると、何度も何度も食べ物を噛み締めるという行為がなくなっていき、顎も退化していく。何度も何度も噛むことは脳への刺激を促し、何を食べるのかと同じくらい大切な行為であるにもかかわらず、学校でも家庭でもよく噛むことをあまり推奨しなくなってきている。そして健康に対しても少なからず影響を与えているようだ。

このよく噛まなくなっていることは、食べ物だけではなく人の話を聞くということにも現れてきているのではないだろうか。私も例外ではない。最近の文章には格調高い文章が減ってきている。できる限り平易に書くことを要求され、会話言葉に近い文章が増加してきた。そして受け止めても、ただでさえ簡単な言葉を、よく考えもせずに聞き流すようになってきている。ある意味、真のエリートと呼ばれる人が居なくなってきているのもこれが原因か?学校の勉強も、じっくり考えることにはあまり意識を傾けず、目先の問題をそつなくこなしていくことばかりに力点を置くようになってきた。だからこそそうしたことが得意な人間が秀才となり、じっくり考えるものが学校からは落ちこぼれていく。

しかし、一般社会で求められるのはスピードばかりではない。事務作業をそつなくこなすことばかりではない。じっくり咀嚼し自分のみにつくように考えることもとても大切な行為だ。むしろスピードの時代といわれるからこそ。時代におもねらないじっくりと考えることが大切なのではないだろうか?

食べ物も人の言葉も、そのまま飲み込むのではなく、自分自身の歯で何度も何度も噛み締め、自分の体の一部となるように咀嚼する必要があると思う。今一度、食事を食べながら、その食事からさまざまな方向へ、噛み締めるということを見つめていきたいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年6月 | トップページ | 2006年8月 »