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2006/05/18

「星の寺」

マクロビオティックを全米に広めた久司道夫さんの講演を聴いた。そこで地球の歳差運動についての話があった。地球はコマのように回転しており、約25800年周期で地軸のブレがそうだ。その地軸のブレと、人類の歴史には深い関係があるというのだ。

私なりに歳差運動について調べてみた。今から12000年後に織女星で有名なベガ(VEGA)が地軸の北の延長線上になるという。つまりVEGAが北極星になるのだ。今の北極星が、完全に地軸の北の延長上になるのは西暦2102年、つまり今から約100年後のことらしい。

では25800年の周期の半分の12900年を半期とし、そのまた半分の6450年を四半期とすると、それぞれに地球上に何が起きたのだろうか?半期前の12900年程前にはちょうど中石器時代が始まり、日本では大陸から日本列島が完全に分離し、縄文時代の草創期が始まったころと重なる。四半期後の6450年後、つまり今より6450年前には中石器時代が終了し、日本では縄文時代前期が始まる。気候もこの12900年前と、6450年前ごろには大きな変動があったらしい。

久司さんが言うには、今から12800年前は水の大過の時代の絶頂期であったらしい。そして、その後、物質文明が発達し、西暦2102年、今から100年後には火の時代の絶頂期になるという。だからこそ、ここで物質文明を超える精神文明を豊かにしていかなければ、人類は火の力により、自分たちばかりか地球上を燃やしつくしてしまう可能性があるとのこと。それを克服するためには、生命活動の基盤となる食生活を整えることが最重要な課題だというのだ。文章にすると分かりづらいが、図にしてみるとなんとなく理解できる。25800年を円とし、12900年を半円として図を書き込み、頂上を2102年に、底辺部よりやや右側にVEGAを書き込むとなんとなく見えてくる。こういう宇宙の動きと歴史の流れは無関係に見えて、ある程度の相関関係にあることは否めない。そうした視点で見つめると、今まで見えてこなかったものが見えるようになる。

密教は大宇宙を相手にする教え。真言八祖の一人の一行禅師は、共産国の中国で切手にもなった人物。ただしそれは僧侶としての評価ではなく、天文学者としての評価だ。彼は暦に大きな影響を及ぼした。底が評価されたのだ。そして、密教には天文学的な経典がいくつも存在する。それらを弘法大師は日本へ直輸入しているのだ。こうした宇宙の動きに意識を傾けることを、昔から真言では行ってきた。そして、立春立夏立秋立冬の前日である春夏秋冬の節分(季節の変わり目)で星祭と呼ばれる祈りを行い、宇宙の流れを大いに意識し、その流れを取り込んできた。ところが、近代科学に汚染された私たちの世代は、星祭を単に儀礼化してしまった。大宇宙の力を無視するようになったのだ。

私はかつて高家寺を「星の寺」と呼んだ。宇宙の力を取り込むお寺として、いつも宇宙を意識していたいと願った。しかしいつの間にか世間の流れにおされて、それを忘れてしまっていた。星祭も、いつのまにか陰陽五行の意味づけの節分会や火渡りを表に出して、星祭としての意味を後退させていた。寺報を「星の声」と名づけたのも、この宇宙の力を取り込むという意味があったのだ。それを、今回の久司さんのお話により思い出させていただいた。

もう一度、高家寺を宇宙の力を取り込むお寺として、「星の寺」という別名を強調して行こうと感じている。そこには、季節感も重要視され、さらにはその季節に最も左右される食事も加味されねばならないと思う。「星の寺」として、マクロビオティックを発信していくお寺として、もういちど高家寺を意味づけていこうと思う。来月末の夏至のころにはオフィシャルホームページもリニューアルしたい。

久司さんの講演を聞かせていただいたことに深く感謝。

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