« モノ | トップページ | 宮沢中曽根両元首相の引退に想う »

2003/10/30

対処療法と根本治療

先日、ある砂防協会で環境問題の講演に行ってまいりました。そこでお話したのは、「砂防は人命を救う大切なものではあるが、それは人間中心の考えで、結局は生態系を崩し、より一層の砂防を必要とする環境を作り上げているのではないか?砂防という出口ばかりに眼を向けるのではなく、生態系全体を見つめもっと山や渓流全体を見つめる根本措置が必要なのでは。」と提言してきました。地域環境では、砂防を代表とする対処療法にばかり眼が向けられ、山や森・渓流に全体に代表される根本治療をしていません。
同じように、人間の身体でも言える気がします。喘息やアトピー。私にはアレルギーがあります。しかもIg-Eの値が10,000を超えるひどいものです。喘息の場合は気管支拡張剤を、錠剤や吸入を使って対応し、ひどいときには副作用は承知でステロイド剤を服用しています。その場での対処は出来ていますが、根本解決はしていません。今は根本解決に向けて、食事療法をしています。
地球環境も同じで、科学技術という対処療法にばかり気を取られ、地球の自然環境の自己治癒能力内での開発を進んで考えるという根本を見つめていません。
一方、環境主義の人はどうか?対処療法を非難し、根本ばかりを訴え、お互いに一緒に解決をしていこうという姿勢を持ちません。砂防がなければ人命が失われます。経済的にも莫大な被害が出ます。気管支拡張剤がなければ、喘息患者の死亡率は格段と上がってしまいます。技術革新がなければ、今以上に環境破壊は進んでいたのも事実です。
根本治療と対処療法は両者を見据えつつ、行っていくべきのもの。環境問題も医学の問題も、おそらく福祉の問題も教育問題も、この視点が必要なのではないかと思います。
そういえば、弘法大師の師匠の恵果阿闍梨は、お腹のすいたものにはまずは食事を、それから法を説くように勧めています。食事は対処療法、法を説くのは根本治療。どちらもとても重要なものですね。この二つを見つめる始点を忘れないで進めて生きたいものです。

|

« モノ | トップページ | 宮沢中曽根両元首相の引退に想う »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 対処療法と根本治療:

« モノ | トップページ | 宮沢中曽根両元首相の引退に想う »