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2002/12/13

世界遺産に、熊野・吉野・高野山などが

世界遺産に、熊野・吉野・高野山 文化庁から推薦決定  
熊野・吉野・高野山などが文化庁より世界遺産として推薦されることが決まった。仏教フォーラムの吉野山人さんは吉野の宗務の代表として実に御尽力されたようだ。そのご苦労には頭が下がる。
吉野にしても吉野にしても高野山にしても、往古の面影を少なからず残し、日本人の心のふるさとのごとき様相を示している。これはとても大切なことだと思う。
しかし、問題はこれからではないだろうか?熊野・吉野に関しては、私自身はそれなりに満足するのだが、高野山は長年居たこともありその裏へもついつい目が行ってしまう。今の体制のまま世界遺産に登録されると、逆に高野山の悪さが表に出てこないか実に心配である。
「世界遺産に登録することで、観光客を増やす」こうした発想をしている限り、高野山の真の姿は隠れてしまう気がする。「世界遺産に登録されていないほうがおかしい」というくらいもっと真に魅力あるものをかもし出さない限り、結局は一過性のものとなり今となんら変わらないのではないだろうか。なぜ、白浜へ宿泊は行ってしまうのか?今の体制の何が悪いのか?なぜ?なぜ?ということを外の意見も取り入れ真剣に検討すべき時ではないのだろうか?
自動車交通規制、電線の地下埋設、魅力ある寺院運営、山内各宿坊寺院の独自性、地方寺院との関係など、こうしたことも文化庁に条件に出してもらいたかった。こうした外圧があってこそ始めて高野山は魅力ある世界遺産に相応しい場所になった気がする。
弘法大師の遺産を食い潰すのではなく、その遺産を下に現代に即した新たな命を芽吹かせていく、それが本来の真言密教の魅力であり、その根本道場である場所であって欲しいと心から願いたい。
ただこうした推薦にいたるまで、相当なご苦労があったと思う。吉野山人さんはじめ、今回ご尽力されたかたがたに改めて深く敬意(2002/12/13)

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